ワイングラスは、ボウル(ワインを入れる丸い部分)がふくらみ、飲み口が少しすぼまった形を1種類そろえれば、赤・白・スパークリングのどれにも対応できます。形によって香りのこもり方や口への流れ方が変わるため、同じワインでも印象が違って感じられます。
はじめて買うなら、容量が350〜450ml程度の中型で、脚(ステム)がついた無色透明のものが扱いやすいです。この記事では、形が味わいに影響する理由、赤・白・スパークリング別の使い分け、選ぶときと使うときのコツを紹介します。
形が香りと味の感じ方を変える理由
答えは、グラスの形が「香りの集まり方」と「ワインが口に入る位置」を左右するからです。
ワインは空気に触れると香りが立ちます。ボウルが広いほど液面の面積が大きくなり、香りが広がりやすくなります。一方、飲み口がすぼまっていると、香りが中にとどまって鼻に届きやすくなります。
また、飲み口の広さや縁の角度によって、ワインが舌のどこに先に触れるかが変わります。その結果、酸味や渋みの感じ方に差が出ると言われています。ただし感じ方には個人差があるので、「こう変わる」と決めつけず、自分の好みで確かめるのがおすすめです。
赤・白・スパークリングの使い分け
基本は「赤は大きめ、白は小さめ、スパークリングは細身」です。
- 赤ワイン用:ボウルが大きく、空気に触れる面積が広い形です。タンニン(渋み成分)の強い重めの赤は、空気になじませると香りが開きやすくなります。
- 白ワイン用:赤より一回り小さい形が一般的です。ボウルが小さいと温度が上がりにくく、爽やかな酸味や香りを保ちやすくなります。
- スパークリング用:細長いフルート型や、やや広めのチューリップ型があります。細身は泡立ちを目で楽しみやすく、チューリップ型は香りも感じやすいのが特徴です。
なお、ブルゴーニュ地方の赤用に作られた丸く大きいグラスなど、産地特化型もあります。ただし最初から集める必要はありません。
初心者がグラスを選ぶときのポイント
最初の1脚は「万能型」を選ぶのが現実的です。確認したい点は次の3つです。
- 無色透明であること:色を正しく見られます。
- 飲み口が薄めであること:口当たりがなめらかに感じられます。
- 洗いやすく収納しやすいこと:ステムが長すぎると割れやすく、洗うのも大変です。
最近は脚のないタンブラー型もあり、普段使いや割れにくさを重視するなら有力な選択肢です。ただし手の温度がワインに伝わりやすいので、冷やして飲む白やスパークリングでは注ぐ量を少なめにするとよいでしょう。
注ぎ方と扱い方のコツ
注ぐ量は、ボウルのいちばん広い部分までを上限に、目安としては3分の1程度までです。多すぎると香りを楽しむ余白がなくなり、グラスを回すのも難しくなります。
持つときはステムを持つと、ワインの温度が手で上がりにくく、ボウルに指紋もつきにくくなります。
洗うときは、洗剤の香りが残らないよう、すすぎを十分にします。水気はそのまま自然乾燥させるか、清潔な布でやさしく拭きます。ボウルを持って強くひねると割れることがあるので、片手でボウル、もう片方でステムの付け根を支えましょう。
ワインはゆっくり香りを楽しみながら、水も合わせて飲み、無理のないペースで味わってください。
よくある質問
Q. ワイングラスは赤と白で分けないとだめですか?
分ける必要はありません。中型の万能型1種類で、赤も白も十分楽しめます。慣れてきて、赤の香りをもっと楽しみたい、白を冷たく保ちたいと感じたときに買い足せば十分です。
Q. 普通のコップでワインを飲んでもいいですか?
問題ありません。ただし、口がまっすぐ開いたコップは香りが逃げやすいため、ワインの香りは感じにくくなります。飲み口がやや内側にすぼまった形のグラスを使うと、香りを楽しみやすくなります。
Q. グラスの曇りや水あとはどう落とせばいいですか?
ぬるま湯でよくすすいだあと、清潔な布でやさしく拭くと落ちやすくなります。落ちない汚れは、グラス用の洗浄方法を確認して試してください。力を入れすぎると割れる恐れがあるので注意しましょう。