ワインボトルの形は、主に「いかり肩のボルドー型」「なで肩のブルゴーニュ型」「細長いフルート型」の3つに分けられます。産地ごとの伝統で形が決まってきたため、ラベルを読まなくても、ボトルの形から産地やワインのタイプをおおまかに推測できます。
ただし、形は法律で厳密に決まっているわけではなく、例外も少なくありません。あくまで「ヒント」として覚えておくと、お店で選ぶときも家で飲むときも役立ちます。この記事では、代表的な形の特徴と由来、見分けるときの注意点を紹介します。
ボルドー型は「いかり肩」で、肩の部分がはっきりしている
ボルドー型は、首から胴にかけて角ばった「いかり肩」になっているボトルです。フランス・ボルドー地方のワインに使われてきた形で、ボトルの中でもっとも一般的といえます。
肩の段差は、長期熟成したワインに出る沈殿物(澱・おり)を注ぐときにせき止める役に立つといわれています。ただしこれは通説のひとつで、積み重ねやすさや製造のしやすさなど、実用面の理由も大きいと考えられます。
使われやすい品種は、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロー、ソーヴィニヨン・ブランやセミヨンなどです。ボルドー以外でも、チリ、アルゼンチン、カリフォルニア、イタリアなど世界中で採用されており、「ボルドー型=フランス産」とは限りません。むしろ世界標準の形と考えてください。
ブルゴーニュ型は「なで肩」で、胴がふっくらしている
ブルゴーニュ型は、肩が緩やかに下がる「なで肩」で、胴がややふくらんだシルエットです。フランス・ブルゴーニュ地方で使われてきた形で、ピノ・ノワールやシャルドネのワインによく見られます。
この形が選ばれる理由には、昔からの産地の習慣という面が大きいです。ボルドー型に比べて沈殿物をせき止める段差がないぶん、注ぐときは少しゆっくり傾けると安心です。
ブルゴーニュ型は、ボルドー以外のなで肩の産地にも広がっています。オレゴンやニュージーランド、日本のピノ・ノワールでも見かけます。さらに、ローヌ地方やイタリアの一部の産地でも似た形が使われます。「なで肩だからピノ・ノワール」と言い切るのは避け、目安として使うのがよいでしょう。
フルート型・シャンパン型など、ほかの形にも意味がある
フルート型は、首が長く細身のボトルで、ドイツのリースリングやフランス・アルザスのワインでおなじみの形です。ライン川やモーゼル川の流域などで伝統的に使われ、白ワインやロゼに多く見られます。ドイツ産は、産地によって緑や茶色のボトルを使い分けることがあります。
シャンパン型は、スパークリングワイン用の、胴が太くて肩がなだらかな形です。瓶の中に炭酸ガスの圧力がかかるため、ガラスは厚く作られています。底が深くくぼんでいる(パントと呼ばれます)のも、圧力に耐えやすくするための工夫のひとつとされています。
ボトルの色も特徴的です。緑や茶色は光によるワインの劣化を和らげる目的があり、透明な瓶は見た目の色を見せたい白ワインやロゼによく使われます。透明な瓶のワインは、保管時にできるだけ光の当たらない場所に置くのが無難です。
形から選ぶときのコツと注意点
ボトルの形は、産地や味わいを予想する手がかりにはなりますが、確実な判断材料ではありません。使いこなすためのコツは3つです。
- 形はヒントとして使う:なで肩ならピノ・ノワール系の軽やかな赤かも、と想像する程度にとどめます。
- 最終的にはラベルで確認する:産地、品種、アルコール度数などはラベルに書かれています。
- ワインセラーや冷蔵庫の収納も形で考える:いかり肩は太めで、ドアポケットに入りにくいことがあります。購入前に収納場所の寸法を確認しておくと失敗しません。
なお、標準的なボトルの容量は750mlです。お酒を楽しむ際は、体調や飲む量に合わせ、水も一緒に飲みながら、ご自身のペースで適量を心がけてください。
よくある質問
Q. ボルドー型とブルゴーニュ型で、中身の味は変わりますか?
ボトルの形そのものが味を変えるわけではありません。形は産地の伝統や用途で決まったもので、味の違いは主にブドウ品種や造り方によるものです。ただし、形ごとに合わせた品種が多いため、結果として味の傾向が似ることはあります。
Q. ボトルの形に合わせて、グラスも変えるべきですか?
必須ではありません。ブルゴーニュ型のワインには丸みの強いグラス、ボルドー型には縦長のグラスといった組み合わせがよく紹介されますが、まずは手持ちのグラスで十分に楽しめます。香りを比べたいときに、試してみる程度で構いません。
Q. 形が珍しいボトルは、特別なワインなのですか?
珍しい形だから高品質とは限りません。地域の伝統や、デザイン上の工夫で個性的な形を使うこともあります。形はあくまで産地の個性を知る入り口として楽しみ、味はラベルの情報や実際のテイスティングで判断するのがおすすめです。