ワインの「ヴィンテージ」とは、原料のブドウを収穫した年のことです。ラベルに書かれた4桁の数字は、製造年や瓶詰め年ではなく、そのブドウが育った年を表します。
ヴィンテージが大切にされるのは、ブドウがその年の天候の影響を大きく受けるからです。同じ畑、同じ造り手でも、年によって酸味の強さや果実味の濃さが変わります。ただし、年号だけでワインの良し悪しが決まるわけではありません。この記事では、初心者が押さえておきたい見方を整理します。
ヴィンテージの年号は「収穫年」を表します
答えは、ラベルの年号=ブドウの収穫年です。2022と書いてあれば、2022年に収穫したブドウから造られたワインという意味になります。
理由は、ワインは農産物であり、収穫年ごとの気候が原料の出来を左右するためです。たとえば、暑くて日照の多い年は果実が熟しやすく、ふくよかで濃い味わいになる傾向があります。逆に、涼しく雨の多い年は、酸味がきりっとした軽やかなタイプになりやすいといわれます。
注意したいのは南半球です。チリ、アルゼンチン、オーストラリア、ニュージーランドなどでは収穫が2〜4月ごろなので、同じ年号でも北半球より早く市場に出回ることがあります。
「当たり年」「外れ年」は参考程度に考えましょう
結論として、当たり年の評価は参考にとどめ、造り手や産地とあわせて見るのがおすすめです。
理由は、評価は産地ごと・地区ごとに違い、同じ年でも造り手の技術や畑の位置で出来が変わるからです。「ボルドーで良い年」が「ブルゴーニュでも良い年」とは限りません。また、難しい年でも丁寧に造られたワインは、素直に楽しめることがよくあります。
初心者向けの実用的な使い方は次のとおりです。
- 普段飲みなら、年号にこだわらず直近数年のものを選ぶ
- 白ワインやロゼ、軽めの赤は、新しめのヴィンテージのほうがフレッシュさを楽しみやすい
- 熟成向きとされる高級赤ワインは、飲み頃かどうかを購入時に店のスタッフへ尋ねる
ノン・ヴィンテージ(NV)はどんなワイン?
ノン・ヴィンテージ(NV)とは、複数の年のワインを混ぜて造ったもので、ラベルに年号がないワインです。シャンパーニュなどのスパークリングワインでよく見られます。
混ぜる理由は、年ごとのばらつきをならし、造り手らしい味わいを毎年安定して届けるためです。NVだから品質が低いということはありません。むしろ、いつ買っても好みの味に出会いやすいという利点があります。
新しい年と古い年、どう選ぶ?
答えは、迷ったら「飲む目的」で決めることです。
- 気軽に楽しむ:新しめの年号で、果実味や香りの生き生きした状態を味わう
- 少し特別な日:熟成を経たワインで、落ち着いた香りや丸みのある口当たりを試す
- 記念日に:誕生年や結婚年のワインを探す。ただし古いワインは保存状態で味が大きく変わるため、状態の確認できる店で選ぶと安心です
なお、秋は新酒の季節で、ボジョレー・ヌーヴォーのようにその年の収穫を早く味わう楽しみもあります。年号の違いを飲み比べるのも、ヴィンテージの理解に役立ちます。飲むときは、無理のない量とペースで楽しんでください。
よくある質問
Q. ヴィンテージは製造年や瓶詰めの年ですか?
いいえ、ブドウを収穫した年です。瓶詰めはその後になるため、収穫から市場に出るまで数か月〜数年かかることがあります。
Q. 古いヴィンテージほどおいしいですか?
そうとは限りません。多くのワインは購入後あまり寝かせずに飲まれる設計です。熟成に向くのは一部のワインで、保存状態によっても味が変わります。
Q. ヴィンテージの記載がないワインは避けたほうがいいですか?
避ける必要はありません。ノン・ヴィンテージは安定した味わいを目指して複数年を混ぜたもので、シャンパーニュなどでは代表的なスタイルです。